こんにちは。今年は、2月というのに日差しが暖かい日もあり、例年より早く花粉症の症状の患者様が来院されています。関東地方では、早いところでは2月上旬よりスギ花粉が飛散し始めてピークは3月中、ひのき花粉はその後の3月下旬から4月中旬がピークと予測されています。
またこの2月3月は、花粉だけでなく、空気の乾燥や引っ越しなどによる様々な要因のアレルギー性結膜炎が発症しやすい時季でもあります。
今回は、花粉症の目の症状に処方される点眼薬と塗り薬についてご紹介します。これまでは、目の症状に対しては点眼薬しかありませんでしたが、点眼薬が苦手な方には眼瞼に塗るクリーム(アレジオン®眼瞼クリーム)の治療薬もあります。
点眼薬には大きく分けると、抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン点眼薬・ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬)とステロイド点眼薬があります。
■抗ヒスタミン点眼薬
ヒスタミンが知覚神経や血管に作用するのを直接抑える、即効性の作用が期待できます。しかし、副作用として、個人差はありますが眠気を誘因することが認められています。運転を主とする仕事の方などが点眼する場合には注意が必要です。
■ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬
ヒスタミンなどのメディカルメディエーターを細胞から出てこないようにする作用があります。その効果が出るまでには、使用開始から2~4週間ほどかかるため、即効性の作用は期待できません。しかし、花粉飛散前から点眼を開始する初期療法や通年性のアレルギー性結膜炎の方に有効です。
■ステロイド点眼薬
抗アレルギー点眼薬より炎症を抑える作用が強く、即効性があります。アレルギー反応の即時と遅延の両方を抑制する効果があるため、症状に対して即効性と持続効果を発揮します。ただし、副作用として、点眼により眼圧が上がる方がいます。長期間の使用の場合は定期的な眼圧測定をし、医師の診察を受けるようにしましょう。
■アレジオン®眼瞼クリーム
点眼薬が苦手な方に使用しやすいクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤です。使用方法は、一日一回、目の周りに塗ることで24時間効果が発揮されます。入浴直前や洗顔前に使用すると、洗い流されてしまい十分な効果が発揮されにくいため「就寝前」など、同じ時間帯に決めて塗ることで効果が持続されるクリームです。
最近では、薬局でも多くのアレルギー性結膜炎の点眼薬が販売されており、ご自身の症状に合ったものを購入することができます。しかしながら、使用しているがあまり効果が感じられない、長期的に点眼薬など使用するなどの場合には、他に目の病気がないか、点眼薬の効果(強さ)がご自身の症状に合っているかなど、一度眼科で診察を受けることをおすすめします。