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白内障手術症例⑤(レンティスコンフォート)

今年初のブログとなります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様に眼科の病気や治療について分かりやすくお伝えし、開業当初からの目標である、精度の高い医療を常に提供していくことを今年も着実に続けていきたいと思っています。
自己研磨を忘れることなく、スタッフ一丸となって診療に取り組んでいきたいと思います。

白内障手術について多数お問い合わせをいただいており、現在は、初診から3週間~1カ月ほどで手術を行うことが出来ます。免許の更新や行事などで早めに手術をしたいや日程のご希望がございましたら出来る限りお応えできれるように調整させていただきます。

 

今回は、白内障手術症例で「レンティスコンフォート」についてご紹介します。
最近は、当院で白内障手術を受けられる患者様の多焦点眼内レンズの割合が増えてきており、特に保険診療で使用できる多焦点レンズである「レンティスコンフォート」についてのご相談が多いです。当院の白内障手術ではレンティスコンフォートの比率はとても高く、月の半数がレンティスコンフォートであることも稀ではありません。

 

【症例】 60歳代・男性

日常生活での眩しさがひどくなり来院されました。ご自身の症状からで白内障についてしっかり調べていて、また手術の際の眼内レンズについてもごご趣味や生活スタイルからレンティスコンフォートをご希望でした。

 

---- 患者さまのご希望 ---- 
趣味のテニスをするときは、眼鏡なしで行いたいとのことでした。そのため遠方と中間の距離は裸眼がよい、近方の距離を見るのは眼鏡装用でも気にされないとのことでした。

 

---- レンズの決定・手術について ----
ご希望に沿う眼内レンズは、レンティスコンフォート(2焦点・保険診療)かテクニスシンフォニー(焦点拡張型・選定療養)であると考えました。テクニスシンフォニーは、遠方から中間まで視力の落ち込みなく見えるというメリットがありますが、レンティスコンフォートと比べてグレア・ハローが強いというデメリットもあるので、ご趣味がテニスと活動的に過ごされている方でしたので、元々ご検討いただいていたレンティスコンフォートを使用することにしました。

 

---- レンティスコンフォートの特徴は? ----

  • 遠方と中間60~70cmが見える遠中2焦点レンズです
  • 分節型レンズであり回折型の多焦点レンズと比べて構造が単純である
  • 構造が単純であるため、グレア・ハローといった光がにじんで見える現象が少なく、夜間に車の運転をする方にも向いている
  • 乱視矯正レンズがある
  • 手術費用は保険診療である

 

---- 視力の推移 ----

 

 

元々、矯正視力の数値は良好でしたが、白内障の症状から眩しさがあり、コントラスト感度の低下も認識されていらっしゃいました。
そして、検査結果から乱視の度数が2D(ジオプター:度数を表す単位・乱視がない状態だと±0Dとなります)であったため、通常の眼内レンズを挿入すると乱視が残ってしまい、しっかりとした視力が出ないと予想されました。そのため術後の裸眼での見え方を少しでもよくするために乱視矯正レンズを使用し、術後の右眼の乱視は0.5、左眼は0.75で両眼とも軽減されていました。手術後は、全く眼鏡は不要とのことで快適に過ごせるとおっしゃっていただけました。

 

生活スタイルに合わせて眼内レンズを選ぶことで、術後の快適さは大きく左右されます。
特に乱視がある方は、白内障手術の際に同時に乱視矯正をすることで、術後の生活が大きく変わってくると思います。白内障手術をご検討の際には、ご自身の乱視の有無についても医師にしっかり確認することをおすすめします。

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